
子どもの矯正治療
(小学生まで)
For Child


「子どもの矯正治療はいつ始めたらいいですか?」、このようなご質問をよくいただきます。適切な治療開始時期は、子どものお口の状態によって異なるため、一概に「●歳になったら始めましょう」とは言いきれません。
子どもの年齢や症状を考慮し、あごの骨の成長をコントロールして歯がきれいに並ぶようにする土台作りの矯正治療(第1期治療)を行なうことにより、歯を抜かずに治療できる可能性が高まります。それにより、歯がきれいに並ぶための仕上げの矯正治療(第2期治療)で良好な結果を得られたり、歯を動かしやすくなったりと、多くのメリットを得られます。第1期治療のみで歯並びが良くなり、第2期治療が必要なくなることも少なくありません。
「お金をかけずにきれいな歯並びにできる」「簡単に治療できて子どもの負担が少ない」─。早い時期に矯正治療をすると、このようなメリットがあると思われている方はいらっしゃいませんか?
じつは必ずしもそうであるとは言いきれないのです。なかには、10年近くも矯正治療を続けているのに歯並びがほとんど改善されず、矯正治療に疲れてしまった、というお子さまもいらっしゃいます。
乳歯と永久歯が混在する混合歯列期から矯正治療を始められるお子さまが多いかと思いますが、永久歯(大人の歯)が生えそろってから矯正治療を始めたほうがよいお子さまもいらっしゃいます。そのほうが効率的に治療できたり、良好な結果を得られたりすることもあるのです。そのようなお子さまは、矯正治療を始めるまで歯磨き指導などの予防管理を行ないながら、経過観察することが大切です。
このように、適切な治療開始時期は、子どもの年齢や症状によって異なるのが現状です。
仙台東口矯正歯科では、できる限り短い治療期間で最大の治療効果を得られるよう考慮し、効率的な矯正治療を実施しています。
小児矯正(土台作りの治療・第1期治療)のメリット
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あごの成長を利用できる
成長期にある子ども(小学生~中学生前半)は、あごの成長を利用することで良好な治療結果を得られます。
あごの骨が小さい子どもには、あごの成長を促進できる治療を行ないます。上あごの成長を促すことで受け口を改善したり、抜歯せずにデコボコの歯並びを改善できるようになります。 -
仕上げの矯正治療(第2期治療)の負担が減る
成長期(小学生~中学生前半)に土台作りの矯正治療(第1期治療)を行なうことで、仕上げの矯正治療(第2期治療)が不要になることも少なくありません。
また、第2期治療が必要になったとしても、成長期にある程度歯並びを改善できるため、大人になってから治療を始める場合に比べて期間を短縮でき、治療の負担を軽減できます。 -
虫歯や歯周病を予防できる
乳歯より大きい永久歯は、あごが充分に発達していない場合きちんと収まりきらず、デコボコした歯並びになります。また、子どもの永久歯はまだ軟らかいため、虫歯を発症しやすくなります。
しかし、歯並びがきれいになることで歯を磨きやすくなるため、虫歯や歯周病の予防につながります。当院では予防管理に力を入れ、定期的に歯磨き指導やフッ素塗布などのケアを行なっているので、子どものうちに矯正治療を始めることは、虫歯や歯周病の予防にもつながります。 -
抜歯せずに矯正治療できる可能性が高くなる
子どもの骨は軟らかいため、土台作りの矯正治療(第1期治療)によりあごの骨の成長をコントロールして大きさを変えられます。そのため、「子どもの矯正治療では歯を抜かない」というのが基本的な考え方です。結果として、仕上げの治療(第2期治療)が必要になった場合でも、歯を抜かずに治せる可能性が高くなるのです。
子どもの骨は軟らかく、歯の動きがスムーズなので、効率的に治療できます。矯正治療中の痛みもあまりありません。当院では、できる限り痛みを抑えるため、弱い力で歯を動かせるよう努めています。 -
こころの健康につながる
思春期になると見た目を気にするようになり、歯並びや口元がコンプレックスになるお子さまもいらっしゃいます。「人前で笑いたくない」「口元の特徴からあだ名をつけられて傷ついた」などの経験をすることも少なくありません。
そのようなお子さまでも、早い段階で矯正治療を受けてコンプレックスを改善することで、健全な学校生活を送れるようになります。 -
脳の健全な発達が期待できる
噛むと脳の血流が良くなることをご存じですか? これは実験で証明されており、歯並びを改善すると噛み合わせが良くなり、脳の血流が増加します。それにより脳の健全な発達が期待できるのです。
「歯並びとIQ(知能指数)は関連している」という報告もあります。
土台作りの矯正治療(第1期治療)~仕上げの矯正治療(第2期治療)の流れ
1第1期治療(小学生~中学生前半)
適切な治療開始時期を見きわめ、歯の配列やあごの成長を利用した矯正治療を行ないます。治療期間は通常1年~1年6ヵ月で、通院間隔はおよそ1ヵ月に1回となります。
症例によっては第1期治療をあえて行なわず、第2期治療のみ行なうことがあります。

2保定・成長観察
第1期治療により、あごの形や大きさが整い、しっかりと土台ができた状態になっています。
歯列や噛み合わせなどが改善されないこともありますが、永久歯が生えそろい第2期治療を始められるようになるまで、歯の生え変わりとあごの骨の成長を見ながら、虫歯・歯周病予防などの口腔衛生管理を行ないます。

3再分析・再評価
成長が収束するころに精密分析と再評価を行ない、第2期治療の必要性を判定します。
あごの形状や大きさ、前後の位置関係が良くなっていても、歯の前突感、歯列のデコボコ、噛み合わせの悪さが見られたり、歯が回転して生えているなどの症状が見られたら、第2期治療でそれらの症状を改善します。

4第2期治療
歯並びと噛み合わせが適切になるよう、第2期治療を行ないます。土台作りの矯正治療(第1期治療)であごを大きくしてから第2期治療を始めるので、一般的な成人矯正よりも治療期間を短縮できます。また抜歯の可能性が低くなります。
第1期治療で歯並びや噛み合わせが改善されていれば、この第2期治療は必要ありません。

5保定期間・定期チェック
せっかく歯並びが美しくなっても、そのままにしていると歯が元の位置に戻ろうと動く「後戻り」をしてしまいます。そのため、整った歯並びが定着するまで「リテーナー」という保定装置を装着して、定期的なチェックを続けます。

歯並びがきれいになったあとは?
矯正治療で美しくなった歯並びは、そのままにしておくと、元の位置へと動いていってしまいます。
そのような「後戻り」を最小限に抑える装置を「保定装置」とよびます。当院では、すべての患者さまに、治療後すぐに保定装置の使用をお願いしています。保定装置の使用時間や使用期間は患者さまによって異なりますが、少なくとも半年間は、食事や歯磨きのとき以外はお使いいただくようご指導しています。
一定期間を経て歯並びが安定してきたら、徐々に使用時間を少なくし、最後にはきちんと外せるようにします。
中学生・高校生の矯正治療 For Mid-teens

中学生や高校生になると、お子さまに特化した第1期治療ではなく、第2期治療を行ないます。
第2期治療では、ブラケットという器具を歯1本ずつの表面につけ、そこにワイヤーを通し、少しずつ力をかけて歯を動かし、歯並びを整えます。
このほかに、歯の裏側に装置をつける舌側矯正や透明なマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)で行なうことも可能です。
適切な治療開始時期は?
症状などに個人差があるため、一概に「いつが良い」という言い方はできません。開始時期が早いほど良いというわけでもありません。
乳歯から永久歯に生え変わったあと、歯が成長する(大きくなる)ということはありません。一方あごは、身長が伸びるのと同じく永久歯に生え変わったあとも成長し、大きくなります。矯正治療は、歯とあごの両方を考慮した治療なので、あごの成長を利用しながら力を加えて歯を動かします。
矯正治療を受けるにあたり、どなたも「できるだけ負担が少ないほうがいい」と思われるでしょう。矯正治療には、痛みなどをはじめさまざまな負担がともないますが、なかでも「治療期間が長い」という負担を軽減したい方が多いのではないでしょうか。そのためには、体の成長を最大限にいかせるタイミングで矯正治療を始めることが大切です。
体が成長する時期はお子さまによって異なりますので、治療を始めるのに適切な時期も、お子さまによって異なります。
- 適切な治療開始時期 = 治療期間を短縮できる時期
- 治療期間を短くする方法 = 体の成長時期に合わせた治療の実施
- 治療期間の短縮 = 治療費の抑制
体の成長時期に合わせて矯正治療を受けるために大切なのは、矯正治療の専門性をもつ歯科医師の診察・検査・診断を受けることです。 矯正治療は早く始めるほうが良いとは限りませんが、検査や診断は早いうちに受けておきましょう。歯並びが気になると思ったら、できる限り早く矯正歯科を受診されることをおすすめします。
大人の矯正治療 For Adult

永久歯が生えそろい、あごの骨の成長が終わった大人の方を対象とした矯正治療です。一般的に、高校生になっていれば大人と同等と考えられるので、高校入学後にすぐに矯正治療を始めることもできます。
子どものときに土台作りの矯正治療(第1期治療)を受けていた場合、その後の成長にともなって新たな問題が発生することがあるため、仕上げの矯正治療(第2期治療)が必要になることもあります。
大人の矯正治療では、歯並びや口元の見た目を美しく整えるだけでなく、バランスの良い噛み合わせとケアしやすい口腔内環境へと改善し、自分の歯を長持ちさせ、生涯にわたり使うことで健康に過ごせるようにすることが大切です。
近年、「8020(ハチマルニーマル)運動」という言葉がよく聞かれます。これは、「80歳になるまで自分の歯を20本以上残せるよう努めましょう」という意味です。「歯並びの悪い方はそうでない方に比べ、早い段階で歯を失って入れ歯を使う確率が上がり、80歳になったときには歯がほとんど残っていなかった」という調査結果も報告されています。このことからも、歯並びが整っていることがいかに大切か、おわかりになるのではないでしょうか。
「生涯自分の歯で噛める」という喜びを、ぜひ矯正治療によって手に入れてください。
現在、インターネットなどで矯正治療に関する情報を広く知ることができるようになっていますが、「大人でも矯正治療を受けられますか?」というご質問を多数いただきます。
矯正治療技術は日々進歩しているため、現在では「矯正治療の開始時期が遅すぎで手遅れになる」ということはありません。どのような歯並びでも、年齢にかかわらず治療を受けられます。若い方から中高年の方をはじめ、60代以降で矯正治療を受けられる患者さまも珍しくありません。
また、虫歯や歯周病などで歯を失い、ブリッジやインプラントで治療する前に、部分矯正(気になる前歯など一部の歯にのみ矯正装置をつける治療方法)が必要になることがあります。その場合は通常の矯正治療より短期間・低価格ですみますので、お気軽にご相談ください。
大人の矯正治療の流れ
1初診相談
治療の流れ、治療方針、料金など矯正の基本事項についてご説明します。治療への不安や疑問などがありましたら、どのようなことでもお気軽にお話ください。
【初診相談料:5,500円(税込)】
初診相談について

2検査
実際にお口の中を拝見し、歯並びや噛み合わせ、虫歯・歯周病の有無などを丁寧に検査します。
レントゲン写真や口腔内写真の撮影も行ないます。
【検査料:22,000円(税込)】

3診断、治療計画の立案
検査結果をもとに治療計画を立案します。
治療方法、使用する装置、治療期間、治療費など、患者さまの矯正治療の詳細についてわかりやすくご説明します。
【診断料:11,000円(税込)】

4矯正治療
実際に矯正装置を歯につけ、治療計画にしたがって歯を動かしていきます。
治療期間は通常約1~2年、通院は3~5週間に1回です。ご来院ごとに装置の調整や歯のクリーニングを行ない、現在の歯の状態や治療の進捗状況などをご説明します。

5保定(定期検診)
せっかく美しい歯並びになっても、そのままにしていると歯が元の位置に戻ろうと動く「後戻り」をしてしまいます。そのため、歯列が安定して動かなくなるまでリテーナー(保定装置)を装着します。
通院は3ヵ月~1年に1回で、ご来院時にリテーナーの調整やクリーニングを行なうほか、お口の健康状態を維持できているか確認します。
【経過観察料 3,400円(税込)】

6治療終了
保定期間が終わり、歯列が安定したら、矯正治療は終了です。
また、保定期間終了後も、美しくなった歯並びでいつまでもお口の健康を守れるよう、継続的に定期検診を受けましょう。

結婚式の日程を考慮した矯正治療プラン

結婚式は人生の一大イベントです。写真の前撮りをはじめ、主役となる当日は美しい笑顔で迎えたいものです。
「結婚式があるのに歯並びが…」「歯並びを治したいけど当日に間に合う…?」とお悩みの方におすすめなのが、結婚式の日程を考慮した矯正治療プランです。
このプランでは、結婚式当日までに、前歯のデコボコやすきっ歯など人目につきやすい歯並びを優先的に改善します。
式の直前(数日前~1週間前)になったら、装置を一時的に取り外します。目立つ部分の歯並びは整い、装置もつけていない状態になるので、結婚式当日はきれいな前歯で自信をもって笑顔を見せられます。心からの輝く笑顔になっている写真は、一生の思い出となるでしょう。
矯正治療の続きは、結婚式や新婚旅行が終わって落ち着いたら装置を再度装着していただき、改めて進めていきます。
結婚式まで半年~1年しかないという方も、ぜひ一度当院にご相談ください。
シニア向けの矯正治療 For Seniors

中高年になると、歯を失う方が増えてきます。歯を失ったときに大切なのは、その原因を考えることです。原因を考えないままインプラントにしても、長持ちしません。歯を失った原因を考えず、お口の中の環境を改善しないまま歯を入れても、その歯を数年後に失うリスクは高くなります。
お口の中の環境が悪化している方の多くは、元々歯並びが悪い方です。歯並びがガタガタできちんと歯を磨けなかったり、噛み合わせが悪く歯に余分な力がかかったりすることで、歯が少しずつ傷んでいったと考えられます。
お口の健康を損なった原因が歯並びや噛み合わせにあるのなら、歯を入れるのではなく矯正治療を受けることも選択肢に入ります。矯正は子どもに限らず受けられる治療です。50~60歳代の患者さまでも、矯正治療できれいな歯並びを手に入れることで、お口の健康を得られます。将来、きれいな口元で食事や会話を楽しみながら、いきいきと健康に過ごすためにも、矯正治療を検討されてみてはいかがでしょうか?
症状やご要望、ライフスタイルを考慮した適切な矯正治療をご提案しますので、「いまから矯正するのはちょっと…」「もう手遅れなのでは…」とあきらめず、ご一緒に健康な口元を得るための第一歩を踏み出しましょう。
矯正治療Q&A FAQ
- 治療が必要な不正咬合の判定基準
- 不正咬合による悪影響
- 治療のメリットとデメリット
- 治療を受ける矯正歯科医院や病院の選択方法
- 子どもの矯正治療
- 大人の矯正治療
- 矯正装置の種類
- 矯正歯科治療とスポーツや吹奏楽器との関連
- 治療と受験、妊娠、転居、その他の環境変化との関連
- 治療に関する保険適用
- 見えにくい矯正装置
- 矯正のための手術について
- 医療費控除
- 痛みについて
- 「顎関節症」と噛み合わせ
- 歯磨きについて
- 転医
- 保定装置の重要性
- 後戻り
- 歯を抜かない非抜歯矯正

よくあるご質問をまとめています。
歯並びのお悩みや疑問点は患者さまによって異なります。それらを解消するのに有効なのは、お口の中を見せていただいてから実際にカウンセリングを行なうことです。
こちらのQ&Aで解決しないようなお悩みや疑問点がありましたら、ぜひカウンセリングにお越しください。
治療が必要な不正咬合の判定基準
歯並びがたいへん悪く、人から指摘されることがあります。治すべきかどうか、判断する方法があれば教えてください。
通常、矯正歯科医が診て完全な歯並びと噛み合わせをしている方はほとんどおらず、多少の不具合があるものです。日常生活への支障があると考えられる場合は治療の対象となりますので、一度矯正歯科医院でご相談されることをおすすめします。
また、「口元が出ている」など、歯に起因する見た目のお悩みがコンプレックスとなり、精神的な問題につながることもあります。
歯並びや噛み合わせの状態を判定するには、以下の項目をチェックしてみましょう。
1. 顔や歯並びが左右対称か。
2. 横顔を見て唇が大きく前に出ていたり、引っ込んだりしていないか。
3. 上の歯が下の歯をすべて覆っていないか。
4. 上下の前歯の中心が一致しているか。
5. 歯が重なっていたり、歯と歯の間にすき間はないか。
6. 上の前歯や下の前歯が前に出ていないか、その逆はないか。
7. 前歯が大きく伸び出していないか。
8. 部分的に食べ物が歯の間に詰まったり、挟まったりしないか。
9. 大きくすり減っている歯はないか。
10. 口臭が気にならないか。
不正咬合による悪影響
歯並びが悪いのですが、食べることには不都合を感じていません。このまま放置すると、どんな不具合が起きるのでしょうか?
歯並びや噛み合わせが悪いと、以下のような問題が起こると考えられます。
1. あごの正常な成長・発育が阻害される。
2. 歯並びや噛み合わせがさらに悪くなる。
3. 硬い物を食べにくくなる。
4. 虫歯や歯周病になりやすく、歯の寿命が短くなる。
5. 口元の見た目が悪く、劣等感を覚える。
6. 咬合力(噛む力)がバランス良くかからない場合、負担が集中する歯の寿命が短くなる。
治療のメリットとデメリット
歯並びが悪いので、矯正治療を受けるかどうか悩んでいます。治療のメリットとデメリットを教えてください。
矯正治療は、装置を使ってあごや歯を動かすことによって歯並びや噛み合わせを改善し、お口と全身の健康を得て、いきいきとした人生を送っていただくためのものです。しかし、治療にはデメリットもあるため、それを理解しておくことも大切です。
一般に下記のようなデメリットがあげられます。
1. 少しずつあごや歯を動かすため、治療期間が長くなる(一般的に、短くても半年以上必要となる場合が多い。「1ヵ月で治療完了」というような宣伝は、歯を削って被せ物で補う治療方法であることが多く、一般的な矯正治療とは目的や方法が異なる)。
2. 保険適用外の自費診療(全額患者さま負担)となるため、高額になる。
3. 装置をつけることで痛みや違和感が出て、ストレスになる。
4. 健康な歯でも、状況に応じて抜かなければならないことがある。
これらはすべての患者さまに当てはまるわけではなく、症状や、治療を受けられる年齢や時期によっても異なります。そのため、実際に矯正歯科医院を受診してご相談されたうえで、治療を受けるかどうか決められるとよいでしょう。
治療を受ける矯正歯科医院や病院の選択方法
矯正治療を受けたいのですが、先生によって技術力が異なり、治療期間も長く、費用も高いと聞いています。良い矯正歯科医院を見つける方法を教えてください。
矯正歯科は、歯科分野のなかでも専門性が高いため、歯科大学卒業後、さらに充分な経験を積んだ歯科医が治療にあたるのが一般的です。治療開始前に精密な検査を行ないますが、これらの検査設備が整っていることや、スタッフ教育など院内体制の充実も求められます。そのため、「料金が安いから」「近所にあるから」という安易な理由で矯正歯科を選ばないようにしましょう。
矯正治療の専門性をもつ歯科医の在籍する医院や病院を選ばれるのも方法のひとつです。
いずれにしても、「矯正歯科」を標榜する歯科医院や病院で矯正相談を受け、充分な説明を受けられたあと、治療を受けるかどうかを検討されるのがよいと思われます。それでも不安があるという方は、費用はかかりますが、ほかの医院や病院でセカンドオピニオンを受けるなど、もう一度相談されるのもよいでしょう。
子どもの矯正治療
子どもの矯正は何歳から始めたらよいですか?
お子さまのお口の状況や年齢などによって、適切な治療開始時期は異なります。一般的には、前歯が生えそろう7〜8歳ごろに矯正歯科医院で相談するのがよいとされています。しかし、指しゃぶりなどお口周りの悪習癖がある場合や、下あごが出ている場合は、より早い時期の治療が効果的な場合もあります。
お子さまの歯並びが気になりましたら、放置せず早めに受診されることをおすすめします。
大人の矯正治療
大人でも矯正治療は可能ですか?
近年の矯正治療技術は以前よりも発達しているため、大人の方にも良質な矯正治療を受けていただけるようになってきています。最近では、50~70代の患者さまも増えています。
年齢で矯正治療をあきらめず、歯並びが気になりましたらぜひ矯正歯科医院にご相談ください。
矯正装置の種類
矯正治療を考えていますが、装置が見えると仕事に支障がありそうで不安です。どのような装置があるか教えてください。
矯正歯科医が装置を選択する場合、最初に候補にあげるのは、効果的で見えにくい装置です。ただし、「見えにくい」という部分に関して患者さまと歯科医の間で認識が異なることがあるので、患者さまが満足されないこともあります。近年では、取り外し可能で透明な装置もありますが、症状によっては適さないこともあります。
一度、矯正歯科医院や病院で矯正相談を受けられ、ご自分が使う可能性のある装置を実際に見ていただくのがよいかもしれません。
矯正歯科治療とスポーツや吹奏楽器との関連
子ども2人の歯並びが悪く、矯正治療を考えています。スポーツや楽器の演奏などは、悪い歯並びや矯正装置に影響しますか?
一般的に、スポーツでは体のバランスが大切であり、噛み合わせの改善によってバランスが改善されることは、さまざまな分野のアスリートたちにより証明されています。矯正治療中に強く噛みしめると一時的に痛みが出ることがありますが、長い目で見ると、早い時期に治療されたほうがよいでしょう。
吹奏楽器を演奏する場合は、矯正装置をつけたばかりのときはあまり良い音色は出ないようです。しかし、数ヵ月で慣れて元の音色に戻るとのことなので、問題ないようです。
治療と受験、妊娠、転居、その他の環境変化との関連
子どもの歯並びが悪く、本人はどうしてもすぐに歯並びを治したいと言い張っていますが、高校受験期にあるので困っています。アドバイスをお願いします。
ご質問内容から、すでにすべての歯が永久歯になっていると思われます。このような場合、一般的にはすべての歯の表面に取りつけるブラケット装置を使用することが多いようです。当初は歯の移動にともなう圧迫感があり、お子さまでは2~3日、成人では1週間程度痛みが続きます。そのため、硬い物が食べられないようですが、それ以降は徐々に痛みが収まり、元の食生活に戻せます。通院ごとに装置を調節するため、そのたびに痛みが出ますが、その間隔は短くなり、軽減されていきます。
いずれにしても、人生の大切な時期にあたる受験期は、少しでも治療などのストレスを軽減できるとよいと思います。ご本人に「治療を受けたい」という強い意思があれば、治療と受験勉強を両立できますが、受験後に治療を始められても、あまり不都合はないと考えられます。
治療に関する保険適用
矯正治療には、健康保険は適用されますか?
残念ながら通常の矯正治療は、健康保険が適用されない自費診療となります。ただし、当院は、自立支援医療(育成医療・更生医療)指定医療機関ですので、国に指定された先天性疾患(口唇口蓋裂等)や外科矯正には、健康保険を適用できます。まずは当院までご相談ください。
一覧に戻る見えにくい矯正装置
目立ちにくい装置での治療は可能ですか?
当院の表側矯正の装置には、「審美ブラケット」「ホワイトワイヤー」などの目立ちにくいものがあります。また、より目立ちにくい装置をご希望される場合には、装置が見えやすい上の歯だけ歯の裏側に装置をつける「ハーフリンガル矯正」(下あごは表側矯正)をおすすめします。
一覧に戻る矯正のための手術について
受け口の矯正治療を受けたいので矯正歯科で相談をしたところ、重度とのことであごの骨を切る手術をすすめられました。手術をしなければならないほど悪いとは思っていなかったので、驚いています。このような例は多いのですか?
歯並びや噛み合わせがきわめて悪い場合、とくに上下のあごのずれを原因とする不正咬合は、まずあごの大きさを改善する必要があります。あごのずれに着目せず、歯だけを動かそうとしても無理があり、いずれ元の悪い状態に戻ったり、歯の寿命を縮めてしまう危険があります。
このような不正咬合の方は顔貌も独特なものとなるため、手術で改善を図ることがあります。手術を行なう場合、一般的に、手術の半年~1年前にブラケット装置で矯正治療を行ない、手術後にも噛み合わせを微調節するために歯を移動させます。これらの治療は、保険適用となります。
これらは一般論ですので、手術をともなう場合は、実際に手術をお受けになる予定の病院で、手術の方法とリスク、また予想される入院期間や回復までの期間、治療費、さらに後遺症などに関して充分説明をお聞きになり、きちんとご理解・ご納得されたうえで治療をお選びください。
医療費控除
矯正治療も医療費控除の対象となると聞いたことがあります。私は会社勤めをしていますが、医療費控除を申請できますか?
医療を受けられた場合、確定申告の際に申請をすれば税金が還付されることがあります。噛み合わせや歯並びを改善する矯正治療も同様ですが、見た目の改善など美容目的の矯正治療は医療費控除の対象とならない場合があり、大人の方の矯正治療は、医療費控除対象外となることが多いようです。
還付金は所得や医療費によって異なります。詳細は管轄の税務署にお尋ねください。医療機関で発行された領収書は、必ず保管しておきましょう。
痛みについて
矯正治療は痛いですか?
毎月の調整後、約2日から1週間ほど、食事時を中心に違和感や鈍痛が発生します。当院では痛みの出にくい「ローフリクションブラケット」や「力の弱いワイヤー」を積極的に使い、できる限り痛みを抑えた矯正治療をご提供できるよう努めていますので、ご安心ください。
一覧に戻る「顎関節症」と噛み合わせ
顎関節症は矯正治療で治りますか?
「顎関節症」と噛み合わせとの関係は、明らかになっていないのが現状です。しかし、矯正治療でバランスの良い噛み合わせへと整えることで、顎関節症発症のリスクを低下させることはできます。また、矯正治療前にすでに顎関節症を発症している患者さまに対しては、重症度に応じて、かかりつけ医院や病院歯科との連携治療をご提案します。
一覧に戻る歯磨きについて
14歳の息子ですが、矯正装置をつけ1ヵ月ほど経ちました。複雑な装置なので歯磨きを充分にできないらしく、いろいろな食べ物が挟まっているのが見えます。1年以上、このような装置をずっとつけて、虫歯になるようなことはないでしょうか。
矯正装置をつけると、充分な歯磨きは難しくなります。そのため、私たち矯正歯科医は装置をつける前に充分な歯磨き指導を行ない、お口の中が爽快になる心地良さを体験いただき、複雑な装置をつけてもその心地良さを維持いただこうと考えています。
最近の歯磨き剤はフッ素入りのものがほとんどであり、虫歯の発症は減少してはいますが、粘着性のある食べ物はできる限り避けていただき、食事のあとは必ず歯を磨いていただくようお願いしています。奥歯の装置の周辺は、とくに食べかすが残りやすく、虫歯を発症したり歯肉が盛り上がることがあります。
また、外食される場合には、必ず歯ブラシを持参するようにしてください。学校などで歯磨きしにくい場合は、せめてうがいをしてください。矯正用の歯ブラシや円錐形の歯間ブラシもありますので、複雑な装置の周辺を磨くときは、これらを併用されることをおすすめします。
転院
転勤や引っ越しをしても、治療を続けられますか?
患者さまとご相談のうえ、できる限りお引っ越し先に近い矯正歯科医をご紹介します。転院にあたっては転院資料(治療計画書や治療経過報告書など)を作成しますので、ご安心ください。
一覧に戻る保定装置の重要性
15歳の息子の矯正治療が終わり、取り外せる保定装置を使いはじめましたが、面倒くさがってなかなかつけません。使わなかったら歯並びが悪くなるのでしょうか。
歯の移動が終わって歯並びや噛み合わせが改善したら、整った歯並びを維持するための保定が始まります。移動完了直後は、歯の周囲の骨や歯肉などの組織がまだ歯を強固に支えていないため、不安定になっています。つまり、保定装置を使わなければ、元の悪い歯並びに戻ってしまうことがあるのです。
一般的に、1年以上毎日保定装置をつける必要があります。どうしても忘れてしまう場合は、固定式の保定装置に切り替えることも考えなければなりません。主治医に相談してみてください。
後戻り
学業が忙しいせいか、高校生の娘が保定装置をついつい忘れ、歯並びが悪くなってきたような気がします。本人も気にしているようです。このような場合どうすればよいか、アドバイスをいただけますか?
保定装置を使わなければ、元の悪い歯並びに戻ってしまいます。気になるほど悪くなっているようであれば、再治療が必要ですが、早い段階であれば、ほとんどの場合短期間で治療を終えられます。
できる限り早めに主治医にご相談ください。
歯を抜かない非抜歯矯正
できるだけ歯を抜かないで治療したいのですが…。
従来の矯正治療では、約7割の患者さまに抜歯が必要とされていました。しかし、「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療」に代表される矯正治療技術の発達は、歯を抜かずに治療する「非抜歯矯正」の可能性を大きく高めました。当院では、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療などの新しい治療テクニックを応用し、できるだけ歯を抜かない矯正治療を目指しています。
・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。d
・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
・治療中に、「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
・矯正装置を誤飲する可能性があります。
・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
・あごの成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・治療後に親知らずの影響で、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
・矯正治療により上下の前歯を前方や後方へ傾斜することにより、上下口唇の突出感が生じたり、増幅したりする一方、陥凹感が生じたり、増幅するなど変化することがありますが、矯正歯科医師による側貌のコントロールはできません。
・治療期間は歯並びと咬み合わせに異なりますが、前歯だけ永久歯に生え揃う小学校低学年(1〜4年生頃)の混合歯列で第一期矯正治療(限局矯正)を行う必要がある場合、動的治療期間は約半年~1年半程度ですが、その後、全ての歯が永久歯に生え揃う永久歯列で第二期矯正治療として広範囲矯正治療(本格矯正)が必要になった場合、成人矯正同様、動的治療期間は約1年半〜2年半程度ですが、2年半以上要することもあり、通院期間は総じて10年以上に及ぶことになります。
1.公的健康保険適用外の自費(自由)診療になります。
2.矯正治療の通院期間は歯並びを整える動的治療期間とその後、整えた歯並びが後戻りしない様に保定装置(リテーナー)を装着して頂きながら経過観察を行う保定期間の合計となります。
3.矯正治療の治療期間や通院回数は矯正治療の開始時期、不正咬合の程度、非抜歯・抜歯、使用装置などにより変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。
▼混合歯列での第一期矯正治療(限局矯正)、永久歯列での部分矯正(MTM)を行った場合
・動的治療期間:約6か月~1年6か月、通院回数(毎月1回):約 6~18回
・保定期間:約1年、通院回数(数か月に1回):約4回(※1)
・合計通院回数:約1年6か月~2年6か月、合計通院回数:約10~22回
▼永久歯列での第二期矯正治療(本格矯正)を唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)にて行った場合(※2)
・歯を抜かない非抜歯治療での動的治療期間:約1年6か月~2年、通院回数(毎月1回):約18~24回
・歯を抜いた抜歯治療での動的治療期間:約2年~2年6か月、通院回数(毎月1回):約 24~30回
・保定期間(※3):3年、通院回数(数か月に1回):約12回
・合計通院回数:約4年6か月~5年6か月、合計通院回数:約30~42回
※1 混合歯列で第一期矯正治療(限局矯正)を行った場合、約1年間の保定期間終了後も永久歯列完成まで経過観察を継続しますので、通院回数は4回以上になります。
※2 舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)の場合、唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)よりも動的治療期間が長くなる場合があります。
※3 当院が規定する保定期間と通院回数で記載しております。
・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
・症状によっては、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)で治療できないことがあります。
・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
・お口の状態によっては、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
当院でご提供している「マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
○未承認医療機器に該当
薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年7月21日最終確認)。
○入手経路等
インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。
○国内の承認医療機器等の有無
国内では、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)と同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年7月21日最終確認)。
○諸外国における安全性等にかかわる情報
情報が不足しているため、ここではマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)の諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
○医薬品副作用被害救済制度対象外
日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。
・傾斜や捩れの改善が難しいなど唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)に比べて、高度な技術が要求されるなどの理由で治療費が高額になります。
・唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)に比べて、硬くて太いワイヤーへの交換に時間がかかることから治療期間が長くなることがあります。
・歯はブラケットが接着している方向へ移動しやすいという特性から、歯の唇側(表側)への移動はしにくいという特性があります。
・直接、舌が触れる歯の舌側(裏側)にブラケット矯正装置がついているため、唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)に比べて、発音や咀嚼、嚥下などの舌の働きへの影響は特に大きいと考えますが、一般的に数日から1、2週間で軽減します。
・傾斜や捩れがある上の前歯にエラスティックチェーンを装着する目的で、また上下の前歯の咬み合わせを緊密にしたり、上下の咬み合わせの前後的なズレを修正するためのエラスティック リング(顎間ゴム)が装着できるように、付加装置として透明なアタッチメントを歯の唇側(表側)に接着することがあります。
・公的健康保険対象となるのは、自立支援医療(育成医療・更生医療)指定医療機関または顎口腔機能診断施設の指定を受けた医療機関のみとなります。指定を受けていない医療機関で外科矯正は、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・手術は全身麻酔のもとで行ないます。
・2~3週間程度の入院が必要となり、入院前には検査のために通院していただきます。
・手術後は部分的な麻痺やしびれが出たり、まれに鼻の変形が見られることがあります。
・骨を固定するために頬側からビスを入れてプレートを留める場合、数ミリの切開が必要となることがあります。ただし、ほとんどわからない程度の小さな傷です。
・手術後しばらくは口があまり開かないので、食生活に不都合を感じることがあります。
・手術後半年から1年くらいで、プレート除去手術のため再度1週間程度の入院が必要となることがあります。
・公的健康保険対象となる使用方法と、公的健康保険対象外の自費診療となる使用方法があり、自費診療となる場合は保険診療よりも高額になります。
・骨と化学的な結合をしないため、患者さまの骨の状態や口腔衛生状態によっては脱落することがあります。
・脱落した場合は再埋入を行なうことがあります。脱落部分の骨の穴が回復するまで数ヵ月の時間を要するため、別の部分に埋め込むことがあります。
・歯科矯正用アンカースクリューは骨に埋まっていますが、その頭部は歯肉の外にあるため、ケアを怠ると骨に感染することがあります。
・歯科矯正用アンカースクリューは歯根の間に埋入されることが多いため、埋入時に歯根を傷つけることがあります。