仙台東口矯正歯科の歯科衛生士の鈴木です。
今回は、治療終了後の管理についてお話します。
長い矯正治療を終えると、『保定期間』という期間に入ります。矯正治療が終わって歯がきれいに並んだ状態を保つため、リテーナーと呼ばれるマウスピースを使用していただきます。
矯正治療によって動かした歯はすぐには安定しないので、矯正装置を外してそのままにしていると、“後戻り”が起こります。後戻りとは、歯が元の位置に戻ろうと動いて歯並びが崩れてしまうことです。特に治療後すぐは後戻りが起きやすい状態にあります。
どんな風に後戻りを防止するかというと、まず一つは“リンガルボンド”とうワイヤーを上下の前歯の裏に付けます。前歯は特に後戻りが起きやすい場所なので、写真のようにワイヤーで歯を接着剤で固定します。
この接着剤は剥がれてしまうこともあります。端が取れるとすぐ気づくと思いますが、中間が取れると気づきにくいです。ただ違和感はあると思いますので、なにか違和感があったらご連絡いただいて、こちらで外れていないかチェックします。
もしも剥がれてしまったことで変形してしまったら一度外して再度作り直すこともあります。
もう一つは“リテーナー“です。基本的にお食事以外の時間はずっと使用していただきます。
当院では透明で歯全体を覆っているタイプと、噛み合わせの面が覆われていないピンク色のものの2つを作って使い分けています。透明なタイプは歯並びを保つ役割・ピンク色のものは噛み合わせを保つ役割をします。
どちらも歯型をとってつくるものですが、透明なタイプは数時間でできるので即日でお渡し可能です。ピンク色のタイプのものは作るのにお時間がかかるので次回来院時にお渡しします。
当院での保定期間の来院間隔は、1か月後→2・3か月後→半年後といったように、大きな問題がなければだんだん来院間隔を伸ばしていきます。治療後数年経ったらリテーナーの使用時間もその方の状態によって減らしていきます。
保定期間の施術内容は、噛み合わせチェック・クリーニング・お口の中の写真撮影です。また、装置を外して2年後・5年後で大きな問題がないか資料とり(レントゲン・歯型など)をさせていただいています。
当院では保定期間は大体5年を目安にしていますが、マウスピースを使っている期間が長いほど安定は良いので、5年経ったからおしまいなどということはありません。半年に1回・年1回でもお口の中を診させていただけるとこちらも安心です。
矯正装置が外れると解放感でつい気が緩みがちです。リテーナーも最初は使えていても、ちょっと外す時間が長くなるとだんだんと使わなくなってしまいます。もし後戻りが出てしまった場合は再治療も可能ですが、また期間と費用がかかってしまうので、せっかく何年もかけて治療したのでその良い状態を長く保てるよう、リテーナーは毎日お使いいただき、定期検診を受けるようにしましょう。
最後になりますが、今回のブログを投稿するにあたって写真を使うことを快く承諾してくださった患者さんに感謝します。ありがとうございました。